司法書士法の登録について学習します。難しいところはないので、条文をおさえていきましょう。
司法書士名簿の登録
司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない(8条1項)。
司法書士名簿の登録は、日本司法書士会連合会が行う(8条2項)。
登録の申請
ここは、何か士業登録をした方ではないと実感しにくい部分です。司法書士の登録を受けようとする者は、事務所を設けようとする地を管轄する法務局の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、登録申請書を提出します。各都道府県の司法書士会が窓口になっているということです。
登録の拒否
日本司法書士会連合会は、登録の申請をした者が司法書士となる資格を有せず、又は次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が第2号又は第3号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、登録審査会の議決に基づいてしなければならない(10条1項)。
①入会の手続をとらないとき。
②心身の故障により司法書士の業務を行うことができないとき。
③司法書士の信用又は品位を害するおそれがあるときその他司法書士の職責に照らし司法書士としての適格性を欠くとき。
日本司法書士会連合会は、当該申請者が前項第2号又は第3号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない(10条2項)。
日本司法書士会連合会は、登録の申請をした者が、欠格事由に該当するときは、登録を拒否します。この場合、2号(心身の故障)と3号(司法書士の信用又は品位を害するおそれ)に該当することを理由に登録を拒否しようとするときは、登録審査会の議決に基づいてしなければならず、また申請者に弁明する機会を与えなければなりません。
心身の故障や司法書士の信用または品位を害するといったものは判断基準が難しいからです。もう少しいうと、憲法22条1項の規定する職業選択の自由は、それだけ重要な権利であるということです。
登録を拒否された場合の審査請求
登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して審査請求をすることができる(12条1項)。
登録の申請をした者は、その申請の日から3月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされないときは、当該登録を拒否されたものとして、法務大臣に対して審査請求をすることができる(12条2項)。
拒否処分と不作為の場合は、審査請求をすることができます。
所属する司法書士会の変更の登録
司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときは、その管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない(13条1項)。
司法書士は、前項の変更の登録の申請をするときは、現に所属する司法書士会にその旨を届け出なければならない(13条2項)。
申請は、移転先の司法書士会にして、届出は、現に所属する司法書士会にします。
登録の取消し
司法書士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本司法書士会連合会は、その登録を取り消さなければならない(15条1項)。
① その業務を廃止したとき。
② 死亡したとき。
③ 司法書士となる資格を有しないことが判明したとき。
④ 第5条各号[欠格事由]のいずれかに該当するに至ったとき。
司法書士が前項各号に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該司法書士が所属し、又は所属していた司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出なければならない(15条2項)。