直前期のまとめ本として人気が高い「ケータイ行政書士」について、特徴から使い方、メリット、デメリットまで解説します。
目次
「ケータイ行政書士」の特徴
では、基礎知識を正確に、確実に身につけていくには、どのようにすればよいのでしょうか? 生身の人間が新たな知識を確実に身につけるには、やはり反復学習に限ります。自分の学習スタイルと相性のよいツールを選んで、それを日々携帯し、本試験当日まで何度も繰り返すことが、合格への最短ルートなのです。
(引用:『ケータイ行政書士』「はしがき」)
LEC森山先生の『ケータイ司法書士』でおなじみ、三省堂の「ケータイ◯◯」シリーズは、合格に必要な基本知識を身につけられるようにするため、本当に必要な知識を厳選して解説しています。本書は、その行政書士版です。
全4冊のシリーズ
「ケータイ行政書士」シリーズは、以下のものがあります。
- ケータイ行政書士(竹井 弘二)
- ケータイ行政書士 ミニマム六法(竹井 弘二)
基本となるのは『ケータイ行政書士』です(本記事で中心に扱っているのがこちらです)。『ケータイ行政書士 ミニマム六法』は、合格に必要な条文を厳選して収録した六法です。
これまでは、『ケータイ行政書士 一般知識』『ケータイ行政書士 40字記述』などがありましたが、現在は最新版は発売されていないようです。
『ケータイ行政書士』の使い方
『ケータイ行政書士』は、上の画像のような構成になっています。
見開きの左ページで基礎知識を覚え、すぐに右ページの一問一答(過去問と予想問)で知識を確認することができます。また、いつも左ページから進める必要はなく、右ページで問題を解いてから基礎知識に戻るという使い方もできます(普通のまとめ本のような使い方)。
『ケータイ行政書士』は、あくまでまとめ本です。わからないことがあったら本書で暗記しようとするのではなく、基本書に戻って理解するようにしましょう(数字など暗記する必要があるものもありますが、それでも理由を理解しようとすれば記憶しやすくなるはずです)。その上で、もう一度本書に戻って知識を整理すると、知識を体系的かつ網羅的に習得しやすくなります。
また、右ページ上部には、学習日・正答数・解答時間を4回分書き込めるようになっています。もっとも、本書のようなまとめ本は4周で終わるものではありません。直前期は何度も繰り返します。私も、まとめ本は表紙をはずして、文字通りボロボロになるまで繰り返し使っていました。
『ケータイ行政書士』のメリット
Aランク知識が整理できる
『ケータイ行政書士』は、行政書士試験で絶対に落とせないいわゆるAランクの基礎知識をまとめて覚えることができます。要点を絞っていると必ず出てくる「足りないのでは…」ですが、基礎知識は本当に大切です。どうしても心配な方は、まずは基礎知識を完璧に仕上げ、それでも余力があったら初めて応用論点に手を出すのをおすすめします(それほど基礎を固めるのは大切です)。
繰り返し学習しやすい
『ケータイ行政書士』は、合格に必要な知識が一冊にまとまっているので、反復学習がしやすいのが特徴です。1か月で1周するのを目処にして、4周目までそれぞれ1か月で周回する、以降は可処分時間に応じて周回時間を短くするなどして学習しましょう(私もまとめ本は何十周もやっていました)。
また、『ケータイ行政書士』は、いわゆる新書サイズなので、持ち運びもしやすくなっています。どこにでも持っていけるので、スキマ時間を有効に活用して反復学習を心がけましょう。
『ケータイ行政書士』のデメリット
本書だけで学習するのは難しい
『ケータイ行政書士』は、まとめ本(暗記ツール)です。本書に書かれている内容は要点のみなので、基礎となる知識を知らないと丸覚えをすることになり、勉強が苦行になってしまいがちです。
まずは、基本書等で基礎となる知識を身につけて、その上で本書を使って整理するという使い方をすると、無理な暗記をする必要がなくなります。
レイアウトが少し見にくい
『ケータイ行政書士』は、「ケータイできる」という長所がある分、レイアウト部分が少々犠牲になっている点は否めません。ここでいうレイアウトというのは、「左ページに基礎知識・右ページに一問一答」という大きな枠ではなく、左ページの基礎知識の部分のことです。
まとめ本では、表や体系図(行政事件訴訟法の分類など!)などを使って、視覚的にわかりやすくまとまっているものもあります。『ケータイ行政書士』を使いながら、表などがあった方がいい方は、メモ用紙などに表を書いて、該当ページに挟み込んで使うと良いでしょう(私はそうしていました)。