行政書士試験の出題範囲を効率良く学習するときに役立つのが、暗記本・まとめ本です。記憶すべき重要論点が明確になり、復習や直前期の繰り返し学習に重宝します。この記事では、暗記本・まとめ本の活用方法について解説しています。
目次
行政書士試験は「基本書」と「過去問」+α
行政書士試験は、基本書と過去問が基本です。基本テキストで知識をインプットして、過去問でアウトプットして、合格に必要なレベルと現在の自分の差を埋めていきます。そして、この「差」を埋めるのに必要なものがあれば足していくイメージです。たとえば、暗記本や答練(模試)などです。
基本書と過去問だけで十分という方もいるでしょうし、それだけでは記憶すべき重要論点がわからないという方は、暗記本やまとめ本のようなツールを使うと学習効率が上がります。本試験の場慣れや時間配分をしたい方は答練を受けるといった具合です。
もちろん、手を広げすぎてしまい、肝心の繰り返し学習ができなくなってしまっては本末転倒なので、あくまで必要があるときにひとつずつ足すようにしましょう。
本試験合格に必要なのは基礎を身につけること
行政書士試験に合格するのに必要なのは、基礎を身につけることです。これは予備校の先生の言葉でも「盤石な基礎」「血肉化された知識」といった表現で語られます。
どの資格試験でもそうですが、合格するまでは「本当にそうなのかなあ…」と疑わしく思ってしまい、合格すると「本当に基礎が大切だったんだ!」と気づかされるものです。
そして、この基礎を繰り返し学習して記憶するのに役立つのが暗記本です。
「基本書」と「暗記本」の立ち位置
「本当に基礎だけが大切なら、最初から暗記本だけを使って暗記すれば良いのでは?」と考える方もいると思います。たしかに理屈で考えればそうなのですが、実際はとても大変です。
基本書は、法の趣旨だったり判例の背景が書かれているので、理解しながら記憶することができます。つまり、重要論点の骨のまわりにお肉がついている感じです。一方、直前期に暗記するには、余分なところ(お肉)が多く、効率的とは言えない部分もあります。
暗記本はお肉を削ぎ落として、覚えるべきことだけが書かれています。これは、ある程度学習が進んでいる方にとっては、覚えるべきことが明確になっていて重宝します。一方、まったくの初学者が暗記本を使っても、語句を丸暗記するだけになるので、苦痛で覚えにくく何より忘れやすいのです。
以上のことから、学習初期は基本書を使って法の趣旨などを理解して覚え、復習や直前期に暗記本を使うと効率良い学習ができるでしょう。
暗記本・まとめ本の上手な活用方法
暗記本の上手な活用方法は、ずばり何度もしつこく繰り返すことです。4、5回繰り返してもできないのなんて当たり前、10回、20回、苦手なところはそれ以上繰り返してようやく知識が血肉化されるくらいです(大切なのは繰り返す回数ではなく、知識を定着させることです)。
また、暗記本は、直前期に活躍する情報集約ツールです。過去問で問われたところで何度も間違えるところは基本書に戻って復習し、解説や表などがあればそれを暗記本に追加するのもおすすめです。私は、1枚ずつはがせるメモ帳に図表を書いて、暗記本に挟んで活用していました。このとき、落としたときなどにメモがバラバラになってもわかるように、左上に該当する論点番号をつけていました。
行政書士試験におすすめの暗記本・まとめ本
ここでは、おすすめの暗記本・まとめ本をまとめて紹介します。まとめ論点数で選ぶというより、まずは自分が普段使っているシリーズを検討するとデザインなどが統一されて使いやすいはずです。もし、それ以外から選ぶ場合は、実際に書店で内容を見て決めると良いでしょう。
最重要論点250(LEC)
LECの『出る順行政書士 最重要論点250』は、試験範囲のうち合格に必要な重要論点が250項目にまとめられており、試験数ヶ月前からの総まとめツールとして活用できます。私は、LECさんの講座を活用しながら、暗記本は『最重要論点250』を使いました。
うかる! 行政書士 新・必修項目115(伊藤塾)
伊藤塾の『うかる! 行政書士 新・必修項目115』は、合格に必要な115項目を絞り込み、表形式にまとめています。伊藤塾のシリーズで学習している方はこちらを選ぶと良いでしょう。
行政書士の最重要論点150(TAC)
TACの『みんなが欲しかった! 行政書士の最重要論点150』は、出題頻度が高い150項目の重要論点をまとめています。「みん欲し」シリーズを使って学習している方におすすめです。