行政書士試験の勉強方法は人によってそれぞれ異なります。私は、勉強を始めた日から試験当日まで、何をどのくらいやったか、学習内容と学習時間をスプレッドシートに記録していました。
ここでは、私が行政書士試験を受験するまでの全過程を掲載します。勉強方法はこれひとつではありませんが、もし学習につまづいている方のきっかけになればと思います。
目次
実際に行った試験勉強スケジュール
スタート期【11月〜12月】
行政書士試験の1年前(試験は11月第2日曜日に行われます)、『合格革命 行政書士 スタートダッシュ』(早稲田経営出版)を読み始めました。この段階では、まだ細かい暗記などはせず、行政書士試験の科目の範囲などを知るだけにとどめておきました。
入門書については、各シリーズから秋頃に発売されます。本試験後は、各シリーズから基本書が発売されるので、入門書を読むことは必須ではありませんが、行政書士試験の学習範囲がどのようになっているのか知ることができるので、全体像を把握したい方は読んでおくとよいでしょう。
ここで、「合格革命」シリーズを選んだのは、私は宅建の試験のときに同じTAC系列から発売されている「みん欲し」で学習していたからです。ただ、行政書士試験では違うシリーズを使ってみたかったので、「みん欲し」ではなく、とりあえず「合格革命」にしました。
インプット&アウトプット期【1月〜2月】
年明け、『合格革命 行政書士 基本テキスト』『合格革命 行政書士 基本問題集』を使って、本格的にインプットとアウトプットを開始しました。憲法は学生のときに習った記憶がありますが、裁判例などはほとんど覚えていません。行政法に関しては本当にまっさらの状態です。案の定、行政事件訴訟法の体系はまったく頭に入ってきませんでした(義務付けの1号と2号、差止め、原処分主義…)。
LECの講座を受講する【3月】
3月からは、LECさんの「行政書士講座 法律系資格受験生コース」を受講しました。法律系資格受験生コースは、司法書士試験や予備試験などの学習経験がある方を対象に、行政法と基礎知識、記述式対策に特化したものです。私は司法書士試験も並行して学習していたので、こちらを受講しました。
講義は、1周だけでなく、試験直前まで何周も(倍速で)見ました。また、音声ファイルをスマホにダウンロードしておき、早朝のランニング時や移動時のすきま時間などにも音声で聴くようにしていました。何度も繰り返して触れることで、わからなかったところが理解できるようになります。
予備校の講座を使うかどうかは人によって異なると思います。私は、耳から聴くと覚えやすいので、講座を活用することにしました。ただ、絶対的に費用が足りないという事情がある方もいらっしゃると思うので、一概にどちらがよい悪いというつもりはありません。私自身、受験生のときにここがわかりにくかったという部分がいくつもあったので、そういう部分は自分が動画等で解説するようにしています。
過去問開始【7月】
7月からは、LECさんの『出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集』を使っていました。「出る順」シリーズを使っていたのは、LECさんを受講したときに配布されたからです。
また、『出る順行政書士 最重要論点250』を使いはじめました。こちらは、重要論点がまとめられているまとめ本(暗記ツール)です。最終的には、ここに情報を集約させるようにしました。これを何周もして、まとめてある文章だけではわからないところがあれば基本書に戻るイメージです。
私は「合格革命」シリーズで学習をはじめて、途中から「出る順」シリーズに乗り換えていることがわかります。もちろん「合格革命」が悪いというわけではありません。学習を始めるとき、どのシリーズを使うか迷う方は多いと思います。ある程度好みで判断したら、実際に学習してみて、どうしても合わないと感じたら変えるという方法でも全然問題ありません。
LECさんのコースでは、記述式対策「記述60問解きまくり講座」がはじまります。行政書士試験は、行政法1問、民法2問の記述式問題が出題されます。問題集や過去問を解くだけでは解法がわかりにくいという方は、こういった講義を活用するのもオススメです。
公開模試【8月】
8月は、引き続き、講義、過去問、暗記ツールを使いながら知識の定着を図っていきました。過去問を通して苦手な部分がわかったら、分野ごとにまとめて学習すると一気にパワーアップします。
この頃、LECさんの「全日本行政書士公開模試」があります(2回)。私は模試は自宅受験しました。模試はあくまで模試なので(本試験より難しい)、復習は軽くするだけで過去問に戻ります。
ファイナル模試【9月】
9月も、講義、過去問、暗記ツールを使って学習をします。ただ、これまでの科目別過去問ではなく、本試験と同じ並びになっている年度別過去問(『みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集』)を使いはじめました。本試験と同じように解くことで、科目などの感覚を身につけるためです。
今のところ、年度別になっているのは「みん欲し」のみなので、他のシリーズを使っている方も、直前期は本書を使って、演習するのをおすすめします。これで本試験のレベルの問題を通して、どのような並びになっていて、どの問題を解く必要があり、どの問題を捨てればよいかが把握できます。
LECさんの「ファイナル模試」があります(1回)。こちらも自宅受験しましたが、復習はほどほどにして、いつも通り過去問を中心に演習を繰り返していました。
1か月前【10月】
いよいよ試験1か月前です。といっても、相変わらず、講義、過去問、暗記ツールを使っていました。講義は、「もういいよ!」と飽きるくらい見ていれば体に染み付いている証拠です。
1か月前だと焦る気持ちもありますが、1か月もあればできることはたくさんあります。苦手な分野があったら、集中して臨んでみましょう。弱点はひとつずつ潰していけるものです。
本試験【11月】
行政書士試験は、第2日曜日です。年によっては、1週間くらいで本試験を迎えることもありますが、私は、1週間で1周、5日間で1周、1日で総復習しました(フルで2週間ありました)。令和7年(2025年)の11月第2日曜日は11日なので、11月に入ってから10日間学習できることになります。
試験1週間前
本試験の1週間前は、試験会場までの道のりや電車の混み具合などを確認するために、当日と同じ時間帯で試験会場まで行きました(試験会場の中を下見したりするのは厳禁です)。
私が受験したのは、那覇市立金城中学校というところです。沖縄都市モノレール(通称「ゆいレール」)の小禄駅を降りて徒歩5分、中学校と言えど、試験会場の近くになるとソワソワします。それと同時に、「来週はここですべてが決まるんだ」という気持ちになりました。
試験前日
試験前日は人によると思いますが、私は総復習をしていつも通り過ごしました。学生時代から一夜漬けや徹夜などはしないタイプだったので、限りなく自然体です。ただ、こういうのは人それぞれ異なると思うので、誰かに合わせるのではなく、自分のタイプに合わせるのが良いと思います。
試験当日の流れ
試験当日、開場時間の少し前に到着しました。何かトラブルがあっても対応できるように、余裕を持っておくのがコツです。座席に着いてからは、暗記ツールなどを見ながら過ごします。
試験開始。
あとは、1年間の成果を出せるようにするのみです。
まとめ
ここまで、私が実際に行ってきた学習内容と大体のスケジュールについて書いてきました。書いていても、とにかく基本の繰り返しが大切なのだと思いました。講義は10周以上、過去問や暗記ツールも何周も繰り返してきました。これでもかというくらい繰り返す、これは良かったと思います。
次回の行政書士試験に向けて進んでいきましょう。