行政書士試験の学習をするときに必要な参考書のシリーズをまとめました。人それぞれスタート時点のレベルも違えば、レイアウトや文体の好みも違います。選ぶときは、必ず書店に行って自分の目で確認しましょう。
目次
行政書士試験に必要なもの
必要なもの
行政書士試験の合格に必要なものは、基本書と過去問です。あとは、学習が進むにつれて「記述式を強化したいなど」「模試をやってみたい」など必要性を感じたら足していくという感じで良いでしょう。
基本書
基本書は、各シリーズの基本となるものです。「出る順」シリーズをはじめ、多くのものは常体(だ・である調)で書かれていますが、「みん欲し」シリーズは敬体(です・ます調)で書かれているなど、文体やレイアウトが異なるので、実際に見て好みにあったものを選ぶと良いでしょう。
後述する「出る順」(LEC)、「合格革命」(Wセミナー)、「うかる!」(伊藤塾)、「みん欲し」(TAC)など主要ブランドについては、どれも合格レベルまで達するので、内容については心配する必要はありません。
過去問
過去問は、これまでに出題された本試験のレベルがわかります。また、過去に出題されたことがある問題はこれからも出題されることが予想されるため、過去問は必ず解いておきましょう
基本書と同じシリーズのものでそろえると、問題の解説ページに基本書の参照ページが書かれていたりするので便利です。ただし、シリーズによって、科目別、年度別、肢別のものがあるので、こだわりがある方は注意しましょう。特に好みがなければ、普段は科目別(「出る順」など)で体系的に勉強し、直前期は年度別(「みん欲し」など)で本試験の形式を経験しておくのがおすすめです。
合格に近づくために便利なもの
行政書士試験に絶対に必要ではないけれど、あると便利なものです。
暗記本(まとめ本)
暗記本(まとめ本)は、行政書士試験の重要論点を掲載しているものです。直前期の暗記など情報集約ツールとして大活躍するので、これは一冊は持っておくと良いでしょう。
「それなら最初から暗記本だけでいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、暗記本はあくまで重要論点が書かれているにすぎないので、前段階となる理解が必要になります。理解をすれば暗記をしなければならないことも減りますし、理解がなければ暗記は苦行になってしまいます。
基本書で条文の趣旨や判例の背景などを理解して、暗記本で覚えるべきことを覚えていくという使い方が良いでしょう(基本書がお肉と骨、暗記本は骨というイメージです)。
記述式問題集
行政書士試験で苦手としている方が多いのが記述式問題です。記述式の点数で足切りされることはありませんが、300点のうち60点(20点×3問)が配点されているため、できれば半分は点数を取っておきたいところです。そんなときに役立つのが記述式問題集です。
過去問にも記述式問題は掲載されていますが、記述式は毎年3問(行政法1問、民法2問)しか出題されないので、演習量が不足しがちです(10年分の過去問が収録されているもので30問です)。そこで、記述式に特化した問題集を使うことで、演習量を確保することができます。
記述式対策は、各予備校さんも対策を強化しているので、過去問や問題集の解説を読んでも解き方がわからないという方は、予備校さんの講座を使うのも良いでしょう(私はLECさんを使いました)。
模試
模試は、試験前のペースメーカーになります。一般的には、試験本番の緊張感を味わうためにも受けた方がいいと言われていますが、私は自宅受験でLECさんで配布された公開模試を受けました。
ただ、模試はあくまで模試なので(難易度は本試験より高い)、復習はその日のうちにさっとする程度にして、基本は過去問という意識を持っておくのが良いと思っています。
その他のもの
その他のことについて思うことをまとめました。
六法
六法は、行政書士試験には不要だと思っています。もちろん士業として、条文は必須なのは間違いないですが、必要な条文は基本書に載っています。試験対策という点では、六法をそろえるのは、オーバースペックになるため必要はなさそうです(繰り返し、条文を読むことは大切です)。
判例集
判例集も、別途用意する必要はありません。判例も条文と同じく知っておくことは必要です。しかし、各基本書には必要な判例は載っているので、別途購入する必要はないでしょう。六法も判例集も基本書に載っているものを読めば十分ということです(繰り返し、判例を知ることは大切です)。
行政書士試験の参考書シリーズまとめ
ここでは、行政書士試験の参考書シリーズを紹介します。基本的には、「出る順」「合格革命」「みん欲し」シリーズなど、どれを選んでも間違いはありません。書店に行って、デザインの好みなどで選んでみましょう。多くの場合、基本書と問題集などは相互参照できるようになっているので、同じシリーズで統一して使うと、使い勝手があがります。
出る順 行政書士(LEC)
- 合格基本書
- 合格問題集
- 過去問題集(①法令編)
- 過去問題集(②一般知識編)
- 肢別過去問題集
- 40字記述式・多肢選択式問題集
- 最重要論点250
- 当たる! 直前予想模試
行政書士試験の大手予備校LECさんのシリーズです。基本書から過去問題集、記述式対策、まとめ本と最初から最後まで対策できます。私もLECさんを使っていたので、配布された「過去問題集」を使っていました。ただ、「ウォーク問」というだけあってワンサイズ小さいのが難点でした(笑)。
LECさんからは、「合格のトリセツ」シリーズとして『基本テキスト』『基本問題集』がありますが、こちらは入門用なので特に選ぶ必要はなさそうです。
合格革命 行政書士(早稲田セミナー)
- スタートダッシュ
- 合格基本書
- 基本問題集
- 肢別過去問集
- 一問一答式 出るとこ千問ノック
- 40字記述式・多肢選択式問題集
- 法改正と直前予想模試
早稲田セミナーさんのシリーズです。こちらも本シリーズだけで完結できます。私は最初「合格革命」シリーズを使って学習していましたが、LECさんの講座を使ってからは乗り換えてしまいました。過去問題集が肢別のみなので、好みが分かれるかもしれません。
うかる! 行政書士(伊藤塾)
- 入門ゼミ
- 総合テキスト
- 総合問題集
- 民法・行政法 解法スキル完全マスター
- 憲法・商法・一般知識等 解法スキル完全マスター
- 行政書士試験過去問集(※)
- 新・必修項目115
- うかる! 行政書士 直前模試
司法試験などで有名な伊藤塾さんのシリーズです。こちらも本シリーズだけで完結できます。基本書と問題集のほか、科目別に解法の本も用意されているのが特徴です。他シリーズを使っている方も、解法を知るために本書のみを読んでみるというのもおすすめです。
また、一問一答式で学べる「伊藤塾 1分マスター行政書士 重要条文編」「伊藤塾 1分マスター行政書士 重要用語・重要判例編」もあります。
みんなが欲しかった!(TAC出版)
- 行政書士合格へのはじめの一歩
- 行政書士の教科書
- 行政書士の問題集
- 行政書士の最重要論点150
- 行政書士の判例集
- 行政書士の5年過去問題集
- 行政書士の肢別問題集
- 行政書士の40字記述式問題集
- 本試験をあてるTAC直前予想模試
TACさんのシリーズです。敬体(です・ます調)で書かれており、法律初心者の方でも抵抗なく入っていきやすいのが特徴です。私は宅建のときに「みん欲し」シリーズを使っていました。
「みん欲し」の特徴として、過去問が年度別である点があげられます。本試験と同じ並びで解くと流れがつかみやすいので、普段は違う過去問を使って学習している方も、試験直前期は『行政書士の5年過去問題集』を用意しておくのをおすすめします。
行政書士 しっかりわかる 講義生中継(TAC)
- 行政書士 しっかりわかる 講義生中継 憲法
- 行政書士 しっかりわかる 講義生中継 行政法
- 行政書士 しっかりわかる 講義生中継 民法
- 行政書士 しっかりわかる 講義生中継 商法・会社法
スッキリわかる行政書士(TAC)
- スッキリわかる行政書士 テキスト
- スッキリとける行政書士 頻出過去問演習
行政書士試験(アガルート)
- 行政書士試験 択一式対策完成への問題 行政法80問
- 行政書士試験 択一式対策完成への問題 民法80問
- 行政書士試験 択一式対策完成への問題 憲法・商法・一般知識80問
- 行政書士試験 択一式試験過去問集(過去10年分) 法令等編
- 行政書士試験 記述式対策完成への50問-過去問27問+予想問題23問-