ここでは、行政事件訴訟法の総則について、全体像から解説します。
まず、行政事件訴訟法の全体を見てみましょう。
- 第1章:総則
- 第2章:抗告訴訟
- 第3章:当事者訴訟
- 第4章:民衆訴訟及び機関訴訟
- 第5章:補則
本試験対策でいうと、やはり重要なのは抗告訴訟です。総則は、「処分の取消しの訴え」や「無効等確認の訴え」などの用語の定義について定められています。これらは、総則で覚えようとすると丸暗記になってしまうので、各章の中で流れのひとつとして覚えるのがおすすめです。
総則の条文は全7条で構成されています。
- 第1条:この法律の趣旨
- 第2条:行政事件訴訟
- 第3条:抗告訴訟
- 第4条:当事者訴訟
- 第5条:民衆訴訟
- 第6条:機関訴訟
- 第7条:この法律に定めがない事項
第1条:この法律の趣旨
1条は、「行政事件訴訟については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。」として、行政事件訴訟法が行政事件訴訟における一般法であることを規定しています。
第2条〜第6条:行政事件訴訟等について
第2条〜第6条では、各用語について規定しています。
この法律において「行政事件訴訟」とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいいます(2条)。
具体的にどのようなものかは、それぞれ見ていきましょう。
第7条:この法律に定めがない事項
行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例によります(7条)。
行政事件訴訟法は、全部で46条の短い法律です。この法律に定めがない事項、つまりこの46条の中で定められていない事項については、民事訴訟の方法を使うことになっています。行政書士試験は、民事訴訟法は試験範囲ではないので、民事訴訟法をひとつずつおさえる必要はありません。行政事件訴訟の流れを見ていく中で、「ここは民事訴訟法を使っているんだな」というのがわかれば十分です。