せっかく予備校を使って学習するなら、その使い勝手などを知っておきたいですよね。ここでは、私が使ったLECさんの行政書士講座について紹介します。
目次
LEC行政書士講座のコース
LECの行政書士試験の初学者向け講座は、3つあります。
- パーフェクトコース
- パーフェクトコースSP
- 法律系資格受験生コース
パーフェクトコース
基本となるのは「パーフェクトコース」です。以下のとおり、インプットからアウトプットまですべて網羅されています。初めて行政書士試験の学習をする方はこちらを選びましょう(9月スタート)。
- 合格講座(全64回)
- 科目別答練(全7回)
- 記述基礎力養成講座(全4回)
- 文章理解特訓講座(全2回)
- 全日本行政書士公開模試(全2回)
- ファイナル模試(全1回)
パーフェクトコースSP
「パーフェクトコースSP」は、上記「パーフェクトコース」に「初めて学ぶ法律入門講座」(オリエンテーションなど全7回)が追加されたものです。個人的には、法律初学者の方でもパーフェクトコースを何周か回せば理解はできると思うので、ここまでは不要かなと思っています(8月スタート)。
いずれにせよ、講義は一度視聴しただけではすべてを理解できないので、何度も繰り返し学習することが大切です。私も音声ファイルをダウンロードして、すきま時間も使って何周もしました。
法律系資格受験生コース
「法律系資格受験生コース」は、司法書士試験や司法試験予備試験の学習経験がある方を対象に、行政法と一般知識等科目に特化したコースです。記述式は行政法と民法が学べます。(11月スタート)。
パーフェクトコース | 法律系資格受験生コース | |
憲法 | ◯ | × |
行政法 | ◯ | ◯ |
民法 | ◯ | × |
商法 | ◯ | × |
一般知識 | ◯ | ◯ |
記述式 | ◯ | ◯ |
すでに司法書士試験や予備試験の学習経験がある、または同時並行して学習しているという方は、こちらのコースを選びましょう(私は本コースを使って勉強しました)。
学習経験者向け講座もある
また、学習経験者向け講座として、「横溝プレミアム合格塾」「180点アルティメットコース」などがありますが、ここでは初学者向けに絞るため詳細については割愛します。
LEC行政書士講座の講師陣
講師フレックス制
予備校を利用するときに迷うのが講師です。どの予備校にするかでさえ迷うのに、さらに講師も選べるとなると、かえって負担になってしまいますよね(笑)。
LECさんは「講師フレックス制」になっています。各科目2人の講師から自由に選んで受講することができるというものです。つまり、講師選びに迷う必要がないということです。1周目と2周目で講師を変えると、異なる視点から学習することが可能です(以降は好きな講師に固定すると良いでしょう)。
LECの行政書士講座の花形は、横溝先生です(全科目担当)。書店などで著書を見かけたことがある方も多いと思います。他、科目ごとに日高先生、野畑先生、植松先生が担当しています。私は、横溝先生の講義を何周かしたあと、別の先生方の講義を何周かしました。
※DVDの場合は、横溝先生のクラスのみになります。
通信と通学が選べる
LECさんも、多くの予備校と同じように通学と通信が選べるようになっています。基本的には、倍速で再生できる「通信」がおすすめです(等倍と比べて半分の時間で1周できます)。
ただ、私の周りにもいますが、どうしても通学じゃないとモチベーションが出ない、半強制された方が勉強しやすいという方は「通学」を選ぶと良いでしょう。もっとも大切なのは自分の性格にあった方法で勉強して合格することなので、必要以上に時間効率を意識する必要はありません。
通学の方も、WebやDVDで学習できるようになっています(欠席しても安心です)。
また、講義は音声ダウンロードもできるので、パソコンやスマホを見られるときは映像、移動時間などのすきま時間は音声のように繰り返し視聴しましょう。
LEC行政書士講座の教材
基本書:合格講座講義録
行政書士講座の基本書は「合格講座講義録」です。
また、行政書士試験に必要な科目の条文を収録した「合格六法」、講義の復習に使いやすい「復習用ドリル」(一問一答式の問題集)も付属しています。地味ですが、講義が終わったら「復習用ドリル」を使って確認するというのはとても大切です。
横溝先生の講義は、原則が黄色、例外がピンク色のように2色のマーカーを使い分けていたので、私もそれに合わせて線を引いていました(厳密に合わせる必要はありません)。
過去問:ウォーク問
過去問は、市販もされている『出る順行政書士 ウォーク問』が「①法令編」「②一般知識編」が配布されます。こちらは肢別(一問一答)ではなく、体系別に10年分収録されているので、実践向きです。
『出る順行政書士 ウォーク問』は本試験と同じ形式ですが、肢別と同じように解いていきます。画像は、4回まで記録しています。それ以降は記録していないだけで、実際はより多く周回しています。
記述基礎力養成講座(または記述60問解きまくり講座)
記述式対策は、パーフェクトコース(SP含む)が「記述基礎力養成講座」、法律系資格受験生コースが「記述60問解きまくり講座」になります。記述式問題は、「何が聞かれているのか、何を答えるのか」の練習が必要です。どちらの講座でも、記述式はクリアできます。
市販されている『出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集』を迷っている方もいると思いますが、受講されている方は不要だと思います。過去問やこれらの講座で扱った問題を繰り返して、本番に臨みましょう(手を広げすぎないのもまた勇気です)。
文章理解特訓講座
一般知識等科目で3問問われる文章理解問題は、解法が重要になります。「文章理解特訓講座」では、「並べ替え」「空欄補充」「要旨把握」など出題形式ごとの解き方を学びます。本試験では、文章理解問題を3問正解できるようになると、一般知識等科目が一気にラクになるはずです。
市販の「出る順」シリーズは、文章理解に特化している教材は用意されていないので、行政書士講座で学習しておきたいところです。
全日本行政書士公開模試&ファイナル模試
直前期になると、9月に「全日本行政書士公開模試」と10月に「ファイナル模試」があります。模試は会場受験と自宅受験ができます。一般的には本試験と同じ緊張を感じられる会場受験が推奨されますが、私は自宅受験にしました(これといった理由はないのですが出不精なのです…汗)。
予備校の模試はクレーム対策のため、本試験問題と比べて難しく作られています。あまりに細かい箇所をついてきた問題に答えられなくても落ち込まず、その日のうちまたは翌日中に軽く(←大切です!)復習して、いつも通り過去問を使った学習を続けましょう。
模試を受けない方は市販の『出る順行政書士 当たる! 直前予想模試』などを使って、現時点での実力を試しておきましょう。同じように、模試ができないからといって落ち込む必要はありません。
まとめ
LECさんの行政書士講座をレビューしました。予備校を使っても、過去問を解く、わからないところがあれば基本書に戻って学習するといったように、最後はひとりで勉強する必要があります。私は、講義を繰り返し視聴できること(特に音声ダウンロード!)、記述式や文章理解などひとりでは修得しにくいところなど、LECさんはとてもよかったと思っています。
行政書士試験合格を目指している方が一歩を踏み出せるきっかけになれたらうれしいです。