会社法の株式会社の機関から監査役会について学習します。取締役に対して取締役会があったように、監査役に対して監査役会という合議体があります。もっとも、試験対策上、重要度は高くないため、ひととおり条文を確認していきましょう
第1款 権限
監査役会の権限
監査役会は、すべての監査役で組織する(390条1項)。
監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第3号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない(390条2項)。
① 監査報告の作成
② 常勤の監査役の選定及び解職
③ 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない(390条3項)。
監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない(390条4項)。
「大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。」とされています(328条1項)。会社が大きいと、利害関係人も多くなってくることから、監査を合議体でしましょうということです。反対に、取締役会を設置していない小さな会社は、監査役会を置くことができません(327条2号)。業務執行側、アクセルを踏む側の規模が小さいのに、監査側、ブレーキを踏む側の規模を大きくしてはいけないということです。
「監査役会設置会社においては、監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。」とされています(335条3項)。取締役会設置会社が、取締役が3人以上であったのと同じように考えることができます。
監査役会は、すべての監査役で組織します。取締役会が、すべての取締役で組織するのと同じです。監査役会は、監査報告の作成や後述する常勤の監査役の選定及び解職、監査の方針の決定などを行います。取締役会が業務執行について決定するのと同じように、監査役会は監査の方針について決定します。
監査役会は、監査役の中から、常勤の監査役を選定します。あくまで常勤の監査役を選定するだけで、取締役と代表取締役のような関係があるわけではありません。そのため、常勤の監査役を選定しても、監査役の権限の行使を妨げることはできないとされています。
試験対策として、監査役会は監査役の合議体であること、監査役会の監査役は3人以上、半数以上は社外監査役であること、監査報告の作成等を行うことをおさえておきましょう。
第2款 運営
※省略