会社法の株式会社の株式から株券について学習します。
第9節「株券」は、全3款で構成されています。
- 第1款 総則
- 第2款 株券の提出等
- 第3款 株券喪失登録
試験対策として必要な範囲でみていきましょう。
第1款 総則
株券を発行する旨の定款の定め
株券は不発行が原則です。そして、株券を発行する旨を定款で定めることができます。
株券の発行
株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない(215条1項)。
公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、株券を発行しないことができる(同条4項)。
株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、株券を発行します。もっとも、非公開会社は、株主が流動的ではないため、株主から請求がある時までは、株券を発行しないことができます。
株券の記載事項
① 株券発行会社の商号
② 当該株券に係る株式の数
③ 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨
④ 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容
特に3号の譲渡制限株式のときは、その旨が記載されることをおさえましょう。
株券不所持の申出
株券を持っていると紛失などの危険があるため、株券の所持を希望しない旨を申し出ることができます。
株券を発行する旨の定款の定めの廃止
株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の2週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない(218条1項)。
① その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨
② 定款の変更がその効力を生ずる日
③ 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨
株券発行会社の株式に係る株券は、前項第2号の日に無効となる(同条2項)。
第1項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第2号の日の2週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第1号及び第2号に掲げる事項を通知すれば足りる(同条3項)。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる(同条4項)。
株券発行会社は、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、効力が生ずる日の2週間前までに、公告し、かつ、通知しなければなりません。
もっとも、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社が株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合は、通知のみで足ります。
第2款 株券の提出等
株券の提出に関する公告等
① 株式譲渡制限の定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式)
② 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、併合する株式の種類の株式)
③ 全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式
このあたりは、商業登記法のところで改めて整理しましょう。
第3款 株券喪失登録
※省略