民事保全法の保全命令に関する手続の総則について解説します。第2章「保全命令に関する手続」は、民事保全法の中心となる部分です。今回は、保全命令に関する手続の全体について定めている「総則」について見ていきましょう。条文は9条ひとつです。
釈明処分の特例
裁判所は、争いに係る事実関係に関し、当事者の主張を明瞭にさせる必要があるときは、口頭弁論又は審尋の期日において、当事者のため事務を処理し、又は補助する者で、裁判所が相当と認めるものに陳述をさせることができる(9条)。
民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができます(3条)。ただ、当事者の主張を明瞭にさせる必要があるときは、裁判所は、相当と認めるものに陳述をさせることができるようになっています。これにより、裁判所は、争点などを把握することができるようになります。